〜市民にも、職員にもやさしいDXの実現に向けて〜
株式会社アスコエパートナーズ(以下アスコエ)が開発した行政DXサービス「手続アセスメント」が、スマートシティを推進している茨城県つくば市に導入されました。
「手続アセスメント」は、住民が自治体に対して行う行政手続きを可視化するため、アスコエパートナーズ独自の分析ツールによってどのような手続きや自治体業務からオンライン化を始めていくとよいかの評価判断を支援するオンラインツールです。
「手続アセスメント」では、自治体の行政手続きを調査・分析し、その上でオンライン化の重要度・優先度をスコアリングします。
■“手続きの棚卸し“こそ、行政DXの真髄
長らく課題となっている「行政手続きの電子化」は、単なる紙のデジタル化ではありません。住民と行政のコミュニケーションをデータに置き換え可視化し、双方にとってより効率的なサービスを実現することにこそ意味があります。
例えば、子どもが生まれた時には出生届はもちろん、同時に健康保険加入、児童手当、乳幼児医療費助成などを同時申請することが多く、一つのライフイベントに紐づく複数の手続きは一度に行いたいというのが利用者ニーズです。それらをグループ化し手続き出来るようにすることで、住民・職員の双方の時間的コストが大きく軽減されます。
また手続き情報のデータ化により、手続きにおける本人確認の有無、電子決済の可否などを可視化し、さらに他自治体の現状と比較することで、住民の負担や不便を解消するための改善の起点にもなります。
■上位8手続きが年間処理件数の50%。オンライン化の優先順位が明らかに
「手続アセスメント」は、市民がデジタル化の恩恵を実感できるよう書面・押印・対面を不要とする手続きオンライン化の推進を目的に2021年 12月より調査を開始しました。
調査結果のデータをもとに、「手続きを行う対象者」「行政サービスカテゴリ」「年間受付件数と手続き種類数の関係性」「年間受付件数と手続き種類数の関係性」「オンライン手続き件数」「書類等の紙媒体提出要否、根拠」「手数料・使用料の要否、納付方法」などの項目軸ごとに統計分析を行いました。
その中で顕著な傾向としては、年間受付件数の上位8つの手続きが年間処理件数の約50%を占めており、そのうち未電子化である軽自動車税納付や有料公園施設許可申請等の電子化が急務であることが明確となりました。手続きごとのユニバーサルメニューカテゴリ別頻度が見えたり、あらためて手続きを行う対象市民は個人なのか事業者なのかなどの住民属性や、街として戦略的に対処すべき課題を明らかにできたりなど、“手続きから見える自治体の今”を浮き彫りにするのが「手続アセスメント」の役割であると言えます。具体的には、この調査により、以下の観点での分析把握が可能となりました。
■つくば市 森部長からのコメント
「つくば市は、つくばエクスプレス沿線の開発等によって子育て世代の転入が増加しており、人口は毎年およそ3,500人の増加、間もなく25万人に達しようとしています。
そうした住民の行政への要望にスピーディに対応するための基盤として、今回、アスコエパートナーズ様の「手続アセスメント」を導入し、つくば市における行政手続の実態を可視化しました。得られた結果を活用して、窓口事務の情報一元化によるスマートな窓口サービスやスマートフォンアプリを通じた市民意見の収集、そして、ストレスフリーなデジタル行政手続というように、データに基づいて様々な施策を計画・実行していきたいと考えています。」
■本調査結果一部の公開について
この度、つくば市様のご協力のうえ、調査結果の一部を公開することにいたしました。
アスコエの手続アセスメントは、SaaS型行政DXソリューションの一環としてご提供可能となっており、実質2週間程度の期間に、エクセル表を元にした調査を行うことで、上述のような手続きの実態可視化および分析結果を、担当職員の方が、いつでも、どこでも、オンライン上で活用いただくことが可能なサービスです。標準的な分析グラフの他、各市のご要望に合わせたカスタマイズ分析、また、調査項目の追加へのご対応も可能です。つくば市様の事例では、スマートシティにおける行政手続きスマート化への優先度を抽出する機能を実装しています。
アスコエパートナーズは今後も行政サービスのデジタル化を推進し、住民にとってより一層便利な行政サービスの提供と行政業務の効率化に貢献してまいります。
印刷用PDF:「手続アセスメント」を茨城県つくば市が導入